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用具用具のガイド

HYROX向けシューズの考え方 — 走ると押すを1足でどう両立させるか

HYROXは8kmのランと8種目を1足でこなす競技です。走行に効くクッションと、スレッドやランジで効く安定性のどちらを取るかを、メーカー公式が用途に挙げているモデルのスペックから整理しました。

最終更新:

結論

  • HYROXは8kmのランと8種目を1足でこなす競技です。途中で靴を履き替える前提の競技ではないので、走行性と安定性のどちらかに寄せた1足を選ぶことになります。
  • 走行に効くのは厚いスタックと反発するミッドソール、押す・担ぐ動きに効くのは低いドロップと接地の安定です。この2つは同じ靴の中で両立しにくい要素です。
  • 現時点でメーカーが公式にHYROXを名指ししているのはPUMAです。当サイトでは、HYROXとの対応が公式に示されている品番を4つ収録しています。

当サイトはトレーニングシューズを23品番収録しており、そのうちHYROX対応が公式に示されているのは4品番(すべてPUMA x HYROXのディヴィエイト ニトロ系)です。

競技側の条件を先に押さえる

公式ルールブックの構成では、1kmのランが8本(合計8km)と、次の8種目が入ります。

靴に効く動き 該当する種目
走る 8×1kmのラン
押す・引く(床を踏んで力を伝える) スレッドプッシュ50m、スレッドプル50m
担いで歩く・沈む ファーマーズキャリー200m、サンドバッグランジ100m
しゃがんで立つ ウォールボール100回
固定した台の上で漕ぐ SkiErg 1,000m、ローイング1,000m

距離で見ればランが最大ですが、スレッドとランジは失速が起きやすい場面です。どちらを優先するかが靴選びの出発点になります。詳しい規定はHYROX 8種目の距離・重量・基準にまとめています。

走行寄りに振る場合

PUMAはHYROXの公式パートナーとして、専用のシューズを展開しています。公式の製品ページで確認できるスペックです。

品番 ドロップ スタック(かかと/前足部) 重量
PUMA x HYROX ディヴィエイト ニトロ 4(メンズ) 10mm 39mm/29mm 約250g(27cm)
PUMA x HYROX ディヴィエイト ニトロ エリート 4(メンズ) 8mm 40mm/32mm 約194g(27cm)

いずれもNITROFOAM系のミッドソールとPWRPLATE(カーボンのプレート)、PUMAGRIPのアウトソールという構成です。エリート4のNITROFOAM ELITEは、公式の説明で最大93%のエネルギーリターンとされています。公式の説明は「高強度トレーニングやフィットネスレースに対応するために設計された」というものです。

スタック39mmから40mmは、ランニングシューズの厚底に近い水準です。走行では有利ですが、スレッドを押すときに足元が沈む感覚は出やすくなります。

安定寄りに振る場合

床を押す動きを優先するなら、ドロップの小さいトレーニングシューズが候補になります。当サイト収録ではニューバランス Minimus TR v2がドロップ4mm、重量256g(メンズ)、アウトソールはSTICKY RUBBERのヘリンボーンパターンで、公式の用途表記は「トレーニング」「ジム」です。

ただし、この方向に振ると8kmのランでクッションが足りなくなります。ランのタイムに対して、どこまで妥協できるかを決めてから選んでください。

判断の手順

  1. 自分のレースでどこに時間を使っているかを見る。ランに時間がかかっているなら走行寄り、ステーションで止まるなら安定寄りです。
  2. プレートの有無を決める。カーボンプレートは走行の推進に効きますが、横方向やしゃがむ動きでは硬さになります。
  3. 重量を見る。当サイト収録で重量が公表されているのは3品番のみですが、194gから256gと幅があります。
  4. ウィズ(足幅)を確認する。当サイト収録23品番のうち、ウィズの表記があるのは12品番です。
  5. 実際に履いて、しゃがんでみる。スタックが厚い靴は、深くしゃがんだときの安定が数値では分かりません。

よくある誤解

  • 「HYROX公認シューズ」という区分はありません。PUMAは公式パートナーとして製品を出していますが、大会で使える靴を限定する規定はルールブックにありません。
  • ランニングシューズをそのまま使うのが正解とは限りません。スレッドとランジは、走る動きとは別の接地を要求します。
  • 1足で完璧は無理です。どちらに寄せるかを決めるのが、この競技の靴選びです。

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